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大事件勃発 認知症の新薬

今日本中で(特に株価で)話題のエーザイアルツハイマー認知症の新薬を開発し、FDAが承認したと言う話。

 

これは大事件です。

 

しかし何のこっちゃ分からない人が多いと思います。

 

ここにはハッキリと良い面と悪い面がります。

 

僕はどちらかと言うと現場に立つ人間で、研究職ではないので、この手の研究者の気持ちはいまいち分からないという前提で話をします。

 

これらはエーザイからの発表や各所のニュース、元エーザイ社員のKさん、そして普段からやりとりしているエーザイのメーカーさんからのお話を総括して書きます。

 

 

ちなみに、FDAというのは

アメリカ食品医薬品局

 

(Food and Drug Administration = FDA)

 

日本で言う所の、厚生労働省みたいなもの。

 

今回は

医薬品(だけではないけど割愛)を保険で使えるようにするときに決定権を持った場所だと思ってください。

 

 

そして、FDAが承認したからといって、まだ誰も日本で使えるなんてこと言ってません。

 

というかまだ使えません。そこには色々な課題があります。

 

今後使える、「かもよ?」というお話です。

 

しかしそんな程度ですら世間の一部が大騒ぎするんですね。

 

 

 

 

アルツハイマー認知症"治療薬"となる新薬アデュカヌマブ

 

 

と、その前に。

 

今回の新薬の話の前に、アルツハイマー認知症とは何かからお話します。

 

アルツハイマー

 

と聞けば誰しも今では聞いたことがあるかもしれませんし、認知症と聞いても聞いた事があるかも知れません。

 

 

認知症は、古くそしてあまり良くない言い方をすると、昔は痴呆(ちほう)と言われていました。この言い方は今ではタブーです。

 

その主たる症状は、物忘れ、そして人格変容です。

 

まず物忘れから始まり、コミュニケーションがうまく取れなくなり、周りの人が驚くくらい性格が変わって見えるほどの変化が訪れる。

 

ザックリと言えばそんな経過を辿る疾病です。

 

65歳以上に発病率が高く、この年齢以上の方々の有病率は16%

 

80歳以上は34%以上

 

95歳以上では51%以上

 

日本でも有病率の高い疾病といって差し支えないでしょう。

 

そして、昨今の医療費増大による国の財政圧迫の問題にとても関係するものでもあります。

 

簡略化して説明します。

 

歳を取れば誰しもある程度、身体能力や思考力などが弱って来ます。その過程で起きる物忘れ自体は大して珍しい事ではありません。それにそこまで気にすることもありません。

 

しかし

 

その中でも、認知症は、物忘れの少し特殊なもの

 

と今は捉えてください。

 

そして、アルツハイマーとは

 

この場合は、認知症の種類だと思ってください。

 

認知症には、3つ、大きな分類があります。

 

これ覚えなくていいです。

 

レビー小体型認知症

血管性認知症

アルツハイマー認知症

 

おおよそ認知症を引き起こしてる原因や細かい病態で分類されてます。これも覚えなくていいです。

 

骨折で例えると

 

複雑骨折

剥離骨折

単純骨折

 

みたいな物だと思ってください

 

この、アルツハイマーというのは、アミロイドβタンパク質というのが脳内に蓄積する事が分かっています。

 

まぁ、これも覚えなくていいです。

 

なんか悪い奴が頭の中に出てくるんだなと思ってください。

 

この悪者は、βタンパク質にちなんで、

 

ベータマンと名付けましょう。

 

このベータマンが脳内で悪さをして、脳の機能を悪くするんだなって事だけイメージ出来れば大丈夫です。

 

ちょっとトゲトゲしてて、脳の神経細胞をチクチク傷つけてくる嫌な奴を想像しましょう。

 

 

このベータマンというのは、今回話題になってるアルツハイマー認知症にとって、かなり謎の大き敵でした。

 

つまりどうやって生まれ、どうやって脳神経にアタックして、どうやったら無くなるのか、今まで散々研究されて来てるのに

 

その倒し方がぜーんぜん分からなかったらしいです。

 

 

 

今までは、薬とは名ばかりで、実際は、進行を抑制する薬しか開発されていませんでした。

 

 

 

とはいえ、抑制するのだって十分大切ですからね。

 

 

 

今回のこのブログ、見てる方々はアルツハイマーの進行抑制薬と言っても馴染みがないかもしれません。

 

なので今回は、

 

今までは治せなかった厄介な病気があって、それについての世界初の治療薬が出た!

 

くらいで良いと思います。

 

今までは、症状の進行を遅らせる事しか出来なかった所から、かなり進歩したのです。

 

なにせ治療薬なのです。治療なのだ。すごい。

 

もちろん家族にこう言った疾病を抱えてる方がいる人達には只事ではないと思います。それも承知でお話します。

 

しかし今回は、どちらかというと、こう言った話にあんまり関係ない人達に向けて書いています。

 

個人の意見や感想も多少含まれるので、気を悪くする方がいたらすいませんが、悪しからず。

 

 

 

 

今回のこの薬は確かに凄いです。しかし、良い面だけではなく、"今の所"の、その唯一のデメリットが、アルツハイマーと普段はあまり関わらない多くの人達にダイレクトに関わってくる所

 

という事です。

 

 

 

正直な話僕は今回のこの薬あまりピンと来てない

 

ぶっちゃけます。

 

今回のこのアデュカヌマブ

 

僕はあまり手放しで喜べません。

 

理由は3つあります。

 

1つは、対象となる治療の範囲の狭さ

 

そして、あまり例を見ない特例承認

 

もう一つは価格です。

 

 

 

まず、治療範囲の狭さですが、

 

軽度のアルツハイマー認知症への使用しか今の所承認されていないと聞きました。

 

つまり中等度以上にはまだ可能性すらありません。

 

この先使われていって使用実績やデータが集まれば分かるかも知れませんが、今の所まったくの未定だそうです。

 

つまりアルツハイマー認知症は、今まで通り、早期発見するしか無いという現状は変わりません。

 

 

面白い例え話をしてる記事がありましたが

 

 

 

「そのドミノ倒しの最初の一枚を抜き取るような薬」

 

だそうです。

 

そして早期発見できた後に、進行を遅らせる事しかできなかった所から、治療することができる、「かも」知れないという所です。

 

そして第二に、異例の特例承認

 

これは、コロナウィルスワクチンの日本での特例承認と比べて異例中の異例です。

 

なにせ

 

FDA、つまりアメリカの基準で特例承認した内容が

 

ザックリ言うと

 

「たぶんリスクに比べてめっちゃ有効っぽいから、とりあえず承認だけはしとくから、あとはちゃんと臨床試験しといてな。ただし、有効性出なかったら取り消すで。」

 

 

という事です。ニュースでは様々な小難しい言葉であーいえばこーいうされてますが、つまるところこういう事です。

 

本来、医薬品という人体の健康や命に関わる薬は、有効性と、リスクの両方をある程度明確にしてからでないと承認されません。

 

つまり、今回のこれは、今後臨床試験をして有効性が確認できない可能性もありえる承認なのです。

 

 

細かくいうと、薬は発売される前

 

治験

 

というのをやります。

 

 

この治験で、過去にいい結果が出ずに失敗しているのが今回の薬です。

 

アデュカヌマブの治験については、話がかなり二転三転して、2017年に治験を中止されていましたが

 

その結果を整理し直してその後を追跡調査した、なんか行けそう!って事で再審査を依頼した。

 

そんな流れです。

 

 

本職の目線から行くと、あくまで僕個人の見解では

 

『結構ありえない』

 

話です。

 

コロナの治療薬を、既存の薬から見直す、ドラッグリポジショニングというのがありますが、これとはまるで違う話です。(これも覚えなくていいです。)

 

幸い、デメリットとなる副作用などについても、めちゃくちゃ発生してるというデータは今のところありません。

 

ただ、どうやらデータ見直したら『たぶん効くっぽい」で承認されたワケが、

 

開示されたデータを何度見ても理解できませんでした。

 

何故、追加でしっかりデータを取らなかったのでしょうか。

 

 

ちなみに今回の薬は

 

ヒトモノクローナル抗体医薬品

 

という、小難しいやつです。

 

ザックリ言うと

 

体の免疫で使う抗体

 

このギミックを利用した薬で、一度始めたら長期間服用が必要です。

 

 

そして最後が、今の所唯一のデメリットとなる、治療費用です。

 

年間費用がアホみたいに高い

 

卸売価格ですが

 

1人年間600万円です。

 

もう一度言いますが

 

600万円です。

 

 

毎月一回投与するので

 

50万円/月

 

 

これが自費治療ならまだわかりますが

 

もし保険適用となった場合

 

 

その費用を税金で賄うことになります

 

 

それ、誰が負担するんですか?

 

 

 

今回のブログで言いたい事はこれです。

 

コロナの水際対策と、医療機関の維持に莫大なお金を費やしている現在の日本で

 

 

さらにこの薬が保険適用された場合

 

一体どうなるでしょうか。

 

保険適用というのは、患者本人の負担はごく一部で、その残りを国の税金から出すということです。

 

 

ちなみに、アメリカでいち早く承認された大きな理由はおそらくですが

 

日本と保険のシステムが異なります。

 

アメリカは各個人がバラバラの保険に入ります。そして国民皆保険ではありません。

 

保険に加入してない人もいます。

 

 

そして

 

加入してる保険によって保険適用になる範囲がまるで違います。これをマネージドケアと言いますが

 

つまり

 

これらの高級な医薬品が保険適用になるのは

 

相当な高額納税をしている保険組合員で

 

かつ、

 

 

保険適用となる保険に加入してる人のみが使用するであろうという推測があってこそです。

 

つまり、承認はすれど、国中のアルツハイマー認知症の人が使い始めるワケではなく、対象となる高額な保険に加入した人だけが保険適用になるのでその出費も抑えられるワケです。

 

 

しかし

 

日本でもし保険適用にしたら

 

おそらくとんでもないことになるでしょう。。

 

 

 

 

 

今日のブログは、出来るだけ簡単に書いたつもりでしたが、内容が内容なだけに、

 

ちょっと難しくなりました。

 

 

それでは。

 

 

リョウマサヒロ