ドラッグ&ロックン・ロール

音楽活動報告、よく思考のまとめを行います

続・愛猫の死期

結局、週末少し顔を出し自宅に戻る予定だったけれど、なんだかんだ心配で休み丸々実家にいた。

 

オスネコは歩かずにずっとグッタリした様子だった。俺は猫の身体の事は専門外だけれど、腎臓を悪くした患者さんのことを想像したら、身体がだるくて動きたくないんだろうと思い、マッサージをしてあげようと思いたった。

 

思い立ったら直ぐにやらねばならない。

 

しかし触れてみたオスネコは、どうだろう。少し様子がおかしい。明らかに昔よりも細々して、毛並みの奥には以前感じなかった硬い感触があった。骨がゴツゴツと、痩せぼそってしまっていた。これが一番、心をえぐられた所かもしれない。食事をあまり取れていないのだろう。

 

ここの所、体調を崩し、獣医の先生方をはじめ、色々な人に、色々なことをされたからだろうか。人に対して警戒心が強くなっている様にも感じた。キサマ、何をする気だ?と言いたげな怪訝な鳴き声を向けてくる。にゃっ、ではなく、に"ゃっ、と言った具合のやつだ。

 

 

初めはマッサージする手を警戒していたオスネコも、手つきを丁寧にゆっくり、心の中で「大丈夫だ」と唱えながらマッサージをしてあげると、どうだろう。指先を通じて感じていた筋肉の緊張が、次第に抜けていくのが少しずつ理解できた。段々とリラックスしてくれる様に感じる。

 

少しでも身体のだるさが抜けてくれたらと、全身しっかりマッサージをしてあげた。そもそも猫の身体は人とは違う。よく分からないから、探り探り痛くならない様に、探り探り気持ち良さそうなところを探して、ゴロゴロ喉を鳴らしているのを確認しながら、探り探り。

 

そうしたらどうだろうか。次第にリラックスしてきたのだろう、ゴロン、と身体を翻して腹を見せてきた。どうやら間違った事はしていないらしい。喜んでくれている様だ。

 

 

しばらくの間。

 

その後、オスネコはおもむろに立ち上がった。

 

立ち上がり、家の中を歩いて見せてくれた。

 

日課の、家の中のパトロールをしてくれているようだった。

 

よう、変なやつはいないか?ボス。俺はそう声をかけた。

 

顔は真剣そのものもだった。俺のよく知るオスネコの顔だった。

 

嬉しかったなあ、元気に歩いてる姿をみれて。

しばらくするとまた寝てしまったけど、幾分か安心した顔で寝ていた気がする。

 

 

もしかしたら、猫にとってもマッサージは良い事なのかも知れない。そう思ったから、大まかな猫の筋肉の位置と、喜んでそうな箇所とマッサージの力加減を家族に伝えて、出来れば俺がいない時もしてあげて欲しいと伝えた。

 

また実家に帰ったらマッサージをしてあげようと思った。たまにしか帰らないやつ、という位置から、たまにマッサージしてくれる人、くらいにはなれたら良いと思う。

 

腎臓を壊してぐったりしているのはオスの愛猫なのだけれど、

 

もう1匹、うちにはメスの愛猫もいる。こちらも大切な家族だ。すこしだけメスネコの話にも触れよう。

 

その日の夜、オスネコが寝たあとの事だけれど

 

普段なら甘えてこないメスネコが

 

「にゃーーーーん。」

 

と甘えた声を出してきた。すごく珍しい事だ。

 

けれど珍しい事とはいえ、昔9年間ほど一緒に暮らした仲だ、何を訴えてるのかは何となくわかる。

 

こっちに来いと言わんばかりに振り返り、また鳴く。目を細めて、今度は短く、にゃっ、となく。

 

どうやらお気に入りの場所に案内している様だった。着いてきてほしい様だ。俺が着いてくることを確認すると、シッポを揺らしながらすこし足早にかけていく。

 

 

お気に入りのベッドにそっと登り、あたしにもやって、と言わんばかりにまた一言。

 

「にゃっ。」

 

 

なるほど。最近、オスネコの体調が悪かったせいか、家族がそっちばかりに構っていたのかもしれないと思った。それにうちのメスネコは元来、非常に嫉妬しいなやつだ。そうだった、思い出した。昔からオスネコに遠慮するわりに、あとで文句を言ってくる愛らしい女の子だった。

 

君もマッサージがして欲しいのか、と納得した。今はオスネコも寝ているしバレないね、と。

 

たくさんマッサージをした。寂しい思いをさせてすまないねと、心の中で謝りながら。

 

仕方ないとはいえ、猫は人ほど今の状況を理解出来ない。いや、あるいは、人以上に理解していていつも通りに振る舞っているのかもしれない。

 

 

メスネコの場合はとりわけ体調が悪いわけではないからか、いくらかマッサージしたらすぐ満足して何処かへ行ってしまった。気が済んだらとっとと自分の好きにする所が、猫が人たらしたる所以なのかもしれない。

 

しかしこれはまいったな。実家に帰るたび2匹ともマッサージしなければならないなと、久しぶりに触らせてくれた事に喜びながら思い耽った。

 

元気のない姿を目の当たりにして、心の休まらない休日にはなったけれど、こうもたくさん触れさせてくれたのも久しぶりだ。

 

ゆっくりと猫達と過ごす休日は悪くなかった。

 

後悔しない様に、時間を作らねば。もう少しだけで良い、辛くなりすぎない程度に、生きていてはくれないか。身体を壊しながら生きるのはきっと辛いだろう。また、会いに行く。

 

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