ドラッグ&ロックン・ロール

音楽家であり薬剤師。Ryo Masahiroのブログ

僕が目の当たりにして、背筋に寒気がした事

皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

 

ドラマー 薬剤師 リョウマサヒロです。

 

世間は依然としてコロナウィルスに脅かされる中で、ストレスフルな自粛が続いてる。それでもみんな自宅での生活を有意義に過ごしてるなって、SNSを通し見てる。

 

とても心強い思いです。医療従事者としては、コロナウィルス感染者を1人でも増やさない事、増えないように行動してもらう事が何よりも助けになります。ありがとうございます。

 

しかし、三月後半からの自粛要請に始まり、緊急事態宣言ときて、四月も半ばに差し掛かる頃。

 

「もう自宅待機辛い」「テレワークしんどい」なんて声も上がってきてる。

 

わかりやすい戦争ならまだしも、ウィルスという見えない敵は、実際に目の当たりにしないと実感が湧かなかったりする。本人、家族、恋人、子供。そういった人に感染者が出たら、話は別だけど、まだまだちょっとリアルが足らないかなって思う。

 

なので、今日は未来の皆が、「あの時自粛してて良かった!!!」って思えるように、自粛しなかったらどうなるかのリアルな症例をご紹介します。

 

【実際に目の当たりにした、背筋が凍る話】

時は遡り、4月○日。僕はスポットの仕事で薬局に向かってました。緊急事態宣言が発令される前の話です。

 

ちょうどこの日は暖かく、のどかな天気。基本的にはくる患者さんは平時と変わらず、その例に漏れず昼過ぎになり少し咳き込んだ患者さんがマスクをして処方箋を持ってきた。

 

処方内容はいたって普通の、風邪の処方。

咳止め、鼻水の薬、解熱剤。熱は今の所なし。

 

患者さんも、普段なら風邪だなぁですますんだけど、コロナウィルスが流行ってるし、まぁ一応受信しましたって話をしました。

 

その日は何のことはなく、薬の説明をして、おわり。じゃあ、お大事に。なんて話をして。

 

門前の内科医は、一応咳や熱がある患者さんの処方箋にはチェックを入れてくれることになってます。

 

よくある症状に見慣れたチェック。大抵の人がただの風邪。しかし一応の一応で、処方箋はユニパックで密封し、受付て誰も直接触らないように対処をします。

 

日付は変わって

 

4月□日 この日は前日に緊急事態宣言発令予告がされた次の日。また同じスポットの仕事で例の薬局へ。

 

医療現場は各々、すでに備えた感染症対策マニュアルにそってマスク、ディスポグローブ、カウンターのビニル製飛沫防止カーテンを設置しています。

 

こちらの感染リスクは出来る限り撤退的に排除。恐れることはない。いつものように仕事をするだけだ。と言い聞かせて仕事につきます。

 

17時40分

政府からの緊急事態宣言が発令される。

 

「いよいよですね。」

 

局員とそんな会話をしながら政府からの発表の中継を見ていた時でした。門前クリニックからの緊急事態ラインの電話が鳴り響きます。

 

電話を取った薬局長は、顔色を変えました。

 

電話を切り僕たちにこう告げる。

 

「さっそく感染症対策マニュアルが役に立つよ。準備して。」

 

この言葉の意味はもうそれしかない。

コロナウィルス感染者か、もしくはその可能性が高い患者が来るということです。

 

ドクターからはその患者指名が事前に教えられてくる。

 

そして予告通りその患者が足を運んできた。

処方箋を受け取り、すぐさまユニパックで密封。

 

感染症対策マニュアル通り、ディスポグローブを着け、ゴーグル着用。飛沫防止カーテン越しに服薬指導します。

 

薬歴(カルテみたいなもので、この患者がいつ、何の薬をここで渡されたか、どんな指導がなされたかが分かる。)を、確認し、

 

そこで驚いきました。

 

前回の服薬指導者は僕。そしてその時の記録では、

毎日の中でよくある風邪様症状。「コロナウィルスの可能性は低いとドクターからの報告あり」となっていたはず。患者さんの顔も話した内容もはっきり覚えてる。

 

しかし今目の前いる人はまるで別人のようにげっそりして、目の周りはクマができていて、酷く疲れてるのです。

 

「寒い、寒い。身体が痛いです。」

 

と繰り返す患者。聞けば熱は39度まで出ているとの事。咳はそこまで酷くはないものの、代わりに呼吸が酷く苦しいと。

 

処方内容としては、早急に上下気道の炎症を抑えるものと、気管支拡張剤、そしてテオフィリンという所謂かなり強い咳止め(※面倒なアンチコメントがこの書き方を嫌だったみたいなので説明を加えます。喘息などの呼吸困難等にも処方される薬で、強力な気管支拡張作用の他、抗炎症作用や中枢刺激作用により咳を和らげることができる薬です。総じて咳による症状その他呼吸困難を楽にする抗喘息効果というものを持つので、一般の方にわかりやすくするため、また他にも呼吸を楽にするための気管支拡張剤が別で処方されていた為、咳止めと書きました。薬効分類としてはたしかにキサンチン系気管支拡張薬ですが、ここにはあくまでも一般の方のイメージに沿うように書いてます。おわかりいただけましたか?)が出されてました。

 

しかし僕はここで疑問が出ました。おかしい。これは確かに対処療法としては間違ってはいないが、ドクター曰くコロナウィルスの可能性が非常に高いはずだ。まずそもそもこんな所にいるのはおかしくないか。と。

 

ここまで症状が出てたら、本来ならPCR検査を受けてもいいはずなのです。なのに何故この患者はこんな所に来ているのか。薬を貰って自宅で待機し、それから保健所からの連絡を待つのか。

 

「検査は?」と尋ねました。

できないみたいですと、苦しそうに答えました。

 

その間わずか2分の事です。

その2分間で薬の説明と聞き取りをして、早々に帰路につかせます。

 

 

疑問に思いながら、服薬指導をして、患者を送りだした僕は、すぐさま頭のスイッチを切り替えます。

 

薬局ではここからが勝負。

 

会計をして受け取ったお金は、キャッシャーには入れずに、全て消毒液に着ける。紙幣も貨幣も全て。

 

ディスポグローブは即ビニル製袋にいれて汚染廃棄物として破棄。

 

服薬指導をした僕は、カーテン越しとは言え対面してるから、全身に噴霧式の消毒剤を浴びます。

 

はっきり言うと、医療機関という所は、やれるだけの対策は現場としてやってる所ならば、感染のリスクはかなり低いです。しかしそれでも接触したらこれだけの事をするのです。

 

 

閑話休題、話を戻そう。

 

いったい何故ドクターはPCR検査を保健所に依頼しなかったのか。その疑問は直ぐに解消される事になります。

 

程なくして今度は薬局にドクターが直接やって来ました。

政府から発表されたオルベスコという薬をもらいに来るとの事。

※オルベスコの詳細はここでは敢えて省きます

 

ドクター曰く

 

「まずいよ。」

 

一言そう言って話を始めて、僕は背筋が凍りました。

 

「検査機関、まともに機能してない。東京だけでも検査対象の患者が多すぎる。あの人はほぼ確実にPCR検査対象だった。数日前はただの風邪、ぶっちゃけピンピンしてたのに、重症化するスピードが早すぎる。レントゲンでバッチリ肺炎にまで移行してた。たった数日で。それでもね、保健所は取り合ってくれなかったね。2日経って熱が下がらなかったらまた連絡しろの一点張り。どうやら、もう検査機関はパンクしてるみたいだ。」

 

 

そしたドクターはこうも続けた。

 

ドクター自身も今回目の当たりにしてよく分かったらしいですが、明らかに検査対象でも、いまは検査機関がパンクるだけでなく、人手不足の他、精密検査は本来このペースではやらず、かなり慎重にやるものです。しかし次から次へと検査対象患者がくるから、検査ミスとの戦いで人員がすでに精神的にやられていると。

そして、今後もそれはしばらくは変わらないだろうと。それって一体どういうことか。感染の疑いが強い人が、CV(コロナウィルス )の診断はされないまま、自宅に戻るんです。自分の足で。街を歩いて。

 

検査しない限り、こっちも下手に診断は下せない。1時間電話で保健所相手にドクターが粘ってもダメなほど。

悪化するスピードから、本来なら即検査入院しててもおかしくなかったそうです。でも人手も足らないし病床数も全く足らない、電話窓口の人もすでに満身創痍で、辟易していて、マニュアル通りの対応しかできない。これでは感染者を隔離する事も出来ないし、現場判断で即時対応する事も不可能だろうと。

 

つまり、このまま患者が増え続ければ政府が予想してる通りに感染拡大は増えると。確かに緊急事態宣言が出されるわけです。対処法が外に出ない事以外に、今はないんです。

 

もし仮に検査機関の医療崩壊を迎えたら悲惨だけれど、仮にそうでなく政府の言う2万床が出来たら、少なくとももっと検査ができて、感染者を適切な管理のもと隔離できるはずと、思うじゃないですか。

 

僕はそうは思いません。何せ、病床数が増えても働き手がすぐに増えるわけではないんです。検査や診断、治療は免許や資格を有した人しかつくことができません。つまり、待機患者が増えるだけです。しかしそれでも病床数を無理矢理にでも増やさないといけないんです。

 

今、医療機関は、戦時中の兵士と同じです。

 

国同士の戦争中、戦地以外では兵士がどんな事をしてるか、多くの国民の人は知りません。しかし戦争では兵士が戦い、死に、場合により国民も巻き添えになって死にます。

 

今は、見えない敵勢力と地球が戦争してるようなものです。

 

医療従事者が医学と科学を武器に戦います。もう既に疲弊してるような大病院はまさに戦場そのもので、そこの医療従事者は第一線の兵士です。僕らのような街にいる薬局やクリニックはいわば駐屯兵団、街の治安維持と敵勢力の各個撃破。

 

各々の役割を果たしています。

 

 

自宅待機やテレワークにストレスがたまり辟易してるのは非常に分かります。分かった上で、本当に外に出るのはやめてほしいです。

 

外で銃弾や兵器の爆音がなっていたら、おそらく外には出ないでしょう。

 

医療従事者の僕らには、街がそう言う風に見えてます。だから外に出て欲しくないんです。どんなにバカな理由から外に出たら人でも、どんな自殺行為によって病に侵された人も、

 

僕らは見捨てることができません。

 

僕らの仕事を増やすなと言うことを言いたいんじゃないんです(本音を言えばそれも言いたいが、)、自分の命を粗末にするなと

 

 

僕は伝えたい。僕らにだって、救えない命は救えない。

 

けれどこのままだと、救えた命も、救えなくなる。

 

 

この時期に不安を煽るブログを本当にごめんなさい。

先の患者さんがどうなったかは、流石にリアルすぎるのでここには書けません。

 

僕がブログにできるのはここまでです。

 

どうか、命を大事にしましょう。

 

 

お願いします。

 

ドラマー 薬剤師 リョウマサヒロ